〈コラム〉マンハッタンでレストラン開店 その2 気になることは専門家に相談

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「永野・森田公認会計士事務所 日下武」ビジネスのツボ 第41回

前回(5月9日号掲載)に引き続き、マンハッタンにレストランを開くときの必要な手順を説明します。
開店前の必要準備
前回は工事のプランを提出する段階までの説明をしました。内装工事も大切ですが、電気、ガスの新規取り付けが必要な場合は、早めに予約を取る必要があります。特にガスについては、何カ月も待たされたということもみたことがあります。工事が終わりに近づくと専門建築家を通して、FINAL INSPECITONとSIGN OFFの手続きをアレンジしてもらいます。NYC Department of BuildingからCertificate of OccupancyまたはLetter of Completionを取得します。
NYC Department of Healthのインスペクションを受けて、Food Service Establishment Permitを取得します。食品の安全管理面で、従業員のうち、最低一人はFood Protection Certificateを取得する必要があります。取得方法は二つあります。一つはオンラインで学習したのち、本人が試験会場に行き試験を受ける方法と、もう一つは5日間、通学して取得する方法です。
ゴミ処理のために、licensed private carterに連絡を取り、契約します。
アルコールをサーブする場合やサイドウォークカフェを出す場合は、州からのライセンスやパーミットだけではなく、コミュニティボードの許可も得る必要があります。
従業員の雇用準備
従業員の雇用時にはW―4、I―9を提出してもらいます。W―4は源泉徴収額の決定に使い、I―9はアメリカで働く資格があるかを確認します。従業員が働きだす前に、Workers compensationに加入する必要があります。加入を忘れると高い罰金がきます。ニューヨークではEmployee disability coverageも会社が独自に契約する必要があります。Payrollがはじまると連邦や州に給与税の申告義務が発生します。申告や納税のタイミングなど細かな規定がありますので、専門家に委託することをお勧めします。
仕入の準備
日本食材はアメリカのマーケットでは販売していないことが多いです。アメリカにも日系のインポーター及びディストリビューターが存在します。契約するとセールスマンがお店に注文をとりにきて、後日、ドライバーが店まで配達してくれます。支払いの方ですが、クレジットを作る前までは、CODという配達時にチェックまたは現金を渡す方法を取り、ある程度クレジットができると、30日ほどのタームをもらえることが多いです。
2回にわたり、レストラン開店までの手順を簡単に説明しましたが、他にも労務ポスターの貼り付けなど、いろいろな規定があります。気になったことは専門家に相談されることをお勧めします。皆さんの成功を祈ります。
(次回は7月第2週号掲載)
takeshi%20001[1]〈プロフィル〉 日下 武(くさか たけし) 永野・森田公認会計士事務所NJ拠点マネージャー。大手日系食品商社での営業経験を活かし、顧客の立場になって、全体的なビジネス、会計、税務相談を受けている。メーカーからレストラン、リテーラーまで、幅広く顧客を持つ。
ウェブ】www.nagano-morita.com/ Tel:201-363-0050 E-mail:tkusaka@nagano-morita.com 2125 Center Ave., Suite 104, Fort Lee NJ
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