〈コラム〉大学生のCost of Livingについて エリアの賃料で決めるのが賢い選択

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タイチ不動産「不動産と住まい事情あれこれ」第66回

日本や州外のお客さまからニューヨークの大学入学に際しての住居のご相談が増えています。米国では大学のAdmissions(入学)の季節です。新入生が入学する大学についての長所と短所を比較検討する季節です。米国の高等教育が非常に高価になっているのは周知の事実ですが、もし物価が米国一高いニューヨークの大学を志すのであれば生活費の大きな割合を占める家賃についての比較検討も必要かもしれません。

住宅コストが天文学的に高いマンハッタンで新入生がキャンパス内ハウジングを選ぶか、キャンパス外住居を択ぶのかを比較してみましょう。ニューヨーク大学(NYU)、コロンビア大学、ペース大学やハンター・カレッジなどの大学が位置するエリアは賃料の高額帯でキャンパスの内外では明確な違いがあります。

例えばNYUでは、キャンパス外の住宅コストはキャンパスがあるグリニッジビレッジだけでなく、イーストビレッジ、ローワーイーストサイド、ウエストビレッジなどの賃料平均から算出した金額で比較しました。その結果、マンハッタンに位置する大学が提供するキャンパス内ハウジングが、キャンパス外のアパートのコストよりも安価であることが分かりました。キャンパス内ハウジングのシングルルームに住むことを選択した場合、月平均住宅コストは2032ドルです。同エリアのキャンパス外賃料の平均は2700ドルになり、月に668ドル、年に換算すると8016ドルの違いとなります。

ハンター・カレッジのブルックデール寮のシングルルームは1006ドルでキャンパス外の一般住宅の平均賃料の2650ドルより60%以上も負担が減ります。ただこれらのキャンパスハウジングは数に限りがあり全てのリクエストに応えられないという大きな難点があります。

逆に、マンハッタン外に位置する大学でのキャンパス内の住宅は、キャンパス外の住宅よりも高価になる傾向があります。唯一の例外はブルックリンのロングアイランド大学(LIU)でキャンパス内ハウジングの1962ドルと較べてキャンパス外では2075ドルとなります。

スタテンアイランド大学ではキャンパス内ハウジングが1550ドルですが、キャンパス外の一般住宅の平均賃料は875ドルと約半額の負担で済みます。ブロンクスのフォードハム大学のキャンパス内ハウジングは1743ドルで、キャンパス外は1132ドルとなります。

結論として、一般的に賃料が高いエリアの大学に入学する際には学校が提供するキャンパス内ハウジングを選び、賃料が比較的安いエリアの大学に進学する際にはキャンパス内のハウジングを避けることがCost of Living(住宅費)の見地からすると賢い選択のようです。

(タイチ不動産 茂古沼孝)
(次回は8月第3週号掲載)

〈記事提供〉
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