〈コラム〉​バックパックと姿勢(2) 中身の重さは体重の10%以内に

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カイロプラクター DR. 石谷三佳「骨盤・背骨の歪みをリセット」第​121回

ishitani-121前回に引き続き、今回はバックパックのお勧めの使い方について紹介します。

●内容量は体重の10%以下にとどめる!
最新の研究によると、背骨や神経のケガのリスクを大幅に減らすには、バックパックの重さは子供の体重の10%以下でないといけないという結論がでています。例えば45キロの子供なら4・5キロ以下、23キロの子供なら2・3キロ以下にすることが大切です。それ以上の重さになると脊柱側弯(そくわん)症になる確率が上がります。

●バックパックの上の部分の高さを調節する
バックパックの上の部分は首の付け根あたりにくるように調節します。バックパックの上の部分があまり低くなると背負った時、首から上半身が前傾姿勢に、またお尻の部分が後ろに突起した感じになり、へっぴり腰のようになってしまいます。頭は重く5キロから8キロくらいありますので前傾姿勢になることで体全体のバランスが崩れ歪みの原因になります。

●腰ベルトを利用しよう
バックパックの下の部分に腰回りにつけるベルトが装着されているものが多くあります。できるだけ、そのベルトの装着しているバックパックを購入し、バックパックを背負う際、そのベルトを腰まわりに巻くようにすることで、重さがかなり軽減され背骨への負担も減ります。

●ロッカーを利用しよう
教科書や学用品をロッカーに入れておけば、背負っている時間が減ります。整理整頓をキチンとするように心掛けて必要なノートや教科書だけ持ち歩く習慣をつけましょう。少し高くつくかもしれませんが、自宅用と学校用に教科書を2冊ずつ用意するのも一つの手です。

●時間に余裕をもって支度しよう
出掛ける間際にバックパックを詰めることのないようにしましょう。よく計画してゆっくり支度しないと、前回お伝えしたように重さの分担をキチンと配慮せずノートや教科書などを詰め込んでしまうことになってしまいます。また、週末にまとめて宿題をすることがないように! 週末に課題を持って帰るとなると、全部の教科書を運ぶことになり、バックパックはとても重くなってしまいます。1週間にわたり、小分けして課題に取り組むようにすれば、いっぺんに重い荷物を運ばなくてもよくなります。

●カイロプラクティックの定期検診を受けましょう
「小枝を曲げれば、そのように木は傾く」という英語のことわざがあります。きれいに並んだ背骨は育ちざかりの子供にとって大変重要です。背骨の問題(サブラクセーション)を早期に発見できれば、安全でやさしいカイロプラクティックの調整によって、将来の問題を簡単に防ぐことができます。

覚えておきましょう! 思春期前の子供が体重の10%を超える重さのバックパックを背負うと、背骨の角度は大きく狂ってしまいます。

カイロプラクティックの専門クリニックでは脊柱側弯症のチェックアップや姿勢矯正、また、バックパックなどのかばんの正しい選び方や背負い方を随時指導しています。大切な子供の背骨をしっかりチェックすることは親としての義務でもあります。ぜひ、一度健診をすることをお勧めいたします。

(次回は5月28日号掲載)

MikaIshitani〈プロフィル〉石谷三佳(いしたに みか) 石谷カイロプラクティッククリニック院長、パーマーカイロプラクティック大学院卒、ハーバード大学医学部専門課程終了/米国、米国小児、ニュージャージー、日本カイロプラクティック協会会員/2008「Chiropractor of the Year」受賞。2015「Bergen’s Top Chiropractor」受賞。

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