〈コラム〉Dr. Clara Lee「歯のおはなし」13回

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Dr. Oz Say…

オズ先生がね…

私の義母はめったにテレビを見ませんが、ケーブルの(中国語)健康番組を必ず見ます。番組を見た翌朝は、朝食中に番組からの受け売りを披露してくれます。毎日一握りのクルミを食べると体にいいと聞けば、すぐにクルミを購入し、数日後、毎日キウイを食べれば体にいいと知ると実行。「お母さん、勧められた体に良いものを全て食べてたら、普通のご飯は食べられないんじゃない?」と聞くと、「でもね、健康番組がそう勧めるのよ…」と答える義母。番組に捧げる忠誠心は見上げたものです。
そして、私の実父は「THR DR. OZ SHOW」が大好きで、会うといつも「ドクター・オズがね…」で会話が始まります。ドクター・オズは本当のドクターで、その分かりやすい物言いと情熱的な個性で多くの視聴者を魅了しています。番組で彼が発する言葉はかかりつけのドクターが言う言葉よりも説得力があるよう。私が普段、患者さんにデンタルフロスで歯間をきれいにするのがどんなに重要か説明しても、その言葉は患者さんの右の耳から左の耳に抜けているみたいです。ならば、ドクター・オズに助けてもらいましょう。
ドクター・オズは番組で、歯ブラシ、デンタルフロスによるプラークコントロールがうまくできないと、口腔(こうくう)内に残った細菌による歯茎の炎症、そしてその細菌が血流に入り血管炎、動脈硬化、ひいては心筋梗塞の原因にもなり、また最近の研究によると、歯周病は呼吸疾患、神経疾患にも関与していると話しました。
患者さんに「ドクター・オズが言っていたんですが…」と言い始めると、多くの患者さんが私の話に耳を傾けます。そして、彼の言葉を借りてデンタルフロスの重要性を患者さんに伝えるのです。
それはまるで私自身がドクター・オズになったように、患者さんの耳に効果的に入っていくのですね。
人気があるドクター・オズに感謝です。皆さんもフロスを上手に使って健康管理に励んでください!(次回は11月15日掲載)(「WEEKLYBiz」2011年10月8日掲載)
〈プロフィル〉Dr. Clara Lee ニューヨーク大学歯学部卒業。ニューヨーク大学ブルックデール病院でチーフレジデンス修了。13年以上に及ぶ臨床経験は一般歯科、コスメティック、インプラントを含む。インビザライン認定医。Waterside Dental Care院長として古山医師と共に、多くの日本人患者さんを治療。Dentistryをこよなく愛している。記事提供:Waterside dental Care(Tel:212-683-6260)

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