〈コラム〉良いところを伸ばすか、悪いところをなくすか シミュレーションは最後まで全体的に考えて

0

「永野・森田公認会計士事務所 日下武」ビジネスのツボ 第29回

私の娘はアメリカの小学校に通っているのですが、6年生から担任というのがなくなり、自分で受けたい教科を選択できるようになります。私は日本で教育を受けましたが、小学生、中学生の頃は、決められた教科を満遍なく勉強し、どちらかというと得意分野を伸ばすというよりは苦手分野をなくすという方針でした。どこに力を注ぐかの考え方はそれぞれなので、簡単には良い悪しの判断はできませんが、私は良いところを伸ばす方が前向きな気がします。
◇ ◇ ◇
ビジネスでも良いところを伸ばすのか、悪いところをなくしていくかという判断が必要なときがあります。昔、商品陳列について少し学びましたが、非常に興味深いものでした。グロッサリーに行くと商品棚がおいてありますが、商品を置く場所によって、ゴールデンゾーン、シルバーゾーンなどのランクがあるようです。これは「どれだけ人目につきやすいか」ということで決められます。同じ商品を置いて実験したところ1番目立つ場所とそうでない場所ではだいたい2倍から3倍の販売数のインパクトがあるらしいです。この陳列場所を考えることによって、販売数を増加できる場合もあります。例えば、ゴールデンゾーンに陳列して週に10個売れている商品Aと、目立たないところに陳列して10個が売れている商品Bがあったとします。陳列を変えなければ、20個の販売数になります。そこで、ゴールデンゾーンに陳列しているのに10個しか動いていない商品A、目立たないところなのに10個も売れているBという考え方をすると、Bの方が売れ筋ではないかと推測できます。それではAとBを置き換えて販売数を計算するシミュレーションをしてみます。場所だけの販売数のインパクトを2倍と仮定します。Aを目立たない場所に移動すると販売数が半減するので、全体の販売数も落ちてしまうのではないかと思う人もいるかもしれません。実際に計算してみるとAの販売数は半分になり5個になります。一方、Bをゴールデンゾーンに置き換えることにより、販売数は10個から2倍の20個になります。結局、総販売数は、25個となり、5個増加しました。
◇ ◇ ◇
販売数の少ない商品を売れるようにするために良い場所を与えることにより、本当に売れる商品が売れなくなっていることもあります。シミュレーションは最後まで全体的に考えることが大切です。それでは、皆さんの成功を祈ります。
(次回は7月第2週号掲載)
takeshi%20001[1]〈プロフィル〉 日下 武(くさか たけし) 永野・森田公認会計士事務所NJ拠点マネージャー。大手日系食品商社での営業経験を活かし、顧客の立場になって、全体的なビジネス、会計、税務相談を受けている。メーカーからレストラン、リテーラーまで、幅広く顧客を持つ。【ウェブ】www.nagano-morita.com/ Tel:201-363-0050 E-mail:tkusaka@nagano-morita.com 2125 Center Ave., Suite 104, Fort Lee NJ
過去の一覧

Share.