身体からの信号を無視していませんか?

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慢性的な肩凝りとはさよならできる?(1)

瓜阪美穂「理学療法士が教えます」身体が痛い本当の理由【第27回】

慢性的な肩凝りでお悩みの方は多いと思います。今回のAさんも、日本在住のころからいつも肩凝りに悩まされ、マッサージや整体で一時的に緩和することでなんとか対処していたのですが、ニューヨークに引っ越しして来て以来、どこに行けば良いか分からず困っていました。

来院を決めたきっかけはAさんの同僚がOMPTの理学療法が肩凝りにも効果的であったと勧めたためことでした。Aさんは、これまで肩凝りはマッサージでごまかし、ごまかし付き合っていくものだと考えていたため、きちんと治療できる対象だとは思っていなかったそうです。

本来肩凝りは、吐き気や熱などの症状と同じように身体が出している信号です。「体の中で何か悪いことが起きていますよ」と発しているのです。

さて、彼女を診察してみたところ、背骨にある第四頚椎(けいつい)から第六頚椎(けいつい)の前側にある自律神経の一部である交感神経幹筋膜が硬くなっていることが分かりました。この筋膜のツッパリに反応し、神経を守るために首の筋肉が縮まり、肩凝りを引き起こしていました。筋肉をマッサージやストレッチしていても自律神経の治療にまで至っていなかったために肩凝りや痛みが戻って慢性化していました。

引き続きAさんの治療を次の2カ月かけてお話していきます。自律神経の「交感神経」と「副交感神経」の二つの機能について次号=6月16日号掲載=で、この首との関係性をその次の号=7月21日号掲載=で説明いたします。

瓜阪美穂〈筆者プロフィル〉
瓜阪美穂(うりさか みほ)  理学療法博士、整形臨床スペシャリスト。ニューヨーク州立大学ビンガムトン校を卒業後、南カリフォルニア大学理学療法博士課程を修了。ブロードウェイミュージカルのダンサーの理学療法士としても活躍中。米国の理学療法により、自身の身体に興味をもち、正しい動作を生活に取り入れることを目的に治療や指導を行っている。
★身体に関する皆様からの質問も受け付けています。
【ウェブ】https://omptny.com/ja/

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