宝塚OG版「シカゴ」NY公演を終えて、キャストに聞く(2)

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監獄の女看守、ママ・モートンを好演、杜けあきさん

7月24日、リンカーンセンターのディヴィッド・H・コーク劇場での全6公演を終えた、宝塚OG版「シカゴ」のキャストに聞く第2弾。

ロキシー、ヴェルマの収監される監獄を取りまとめる女看守、ママ・モートンを演じた杜けあき(もり・けあき)さん。迫力のある歌声で、全ての登場シーンで大きな拍手が巻き起こったのが印象的だった。「シカゴ」終演後に用意された宝塚ならではのショーでは、久しぶりの男役を披露。そんな杜さんにお話を伺った。

 

ニューヨーク公演のためだけに構成されたレビュー・ショー「タカラヅカ・アンコール(Takarazuka Encore)」で男役姿で登場し、歌い、踊る杜けあきさん=20日、David H. Koch Theater(Photo by NY Biz/吉田)

ニューヨーク公演のためだけに構成されたレビュー・ショー「タカラヅカ・アンコール(Takarazuka Encore)」に男役姿で登場し、歌い、踊る杜けあきさん(中央)=7月20日、David H. Koch Theater(Photo by NY Biz/吉田)

 

ママ・モートンの杜さんが登場し、歌い始めると、観客から歓声が沸きました。その瞬間、どのようなお気持ちだったでしょうか。

わぁ〜、これがブロードウェイかニューヨークかアメリカかと思いました!!! 日本ではほとんど無いことなので! だいたい歌い終わったらというパターンですから。そしてもちろんものすごくうれしくてテンション上がりました!!

今回初めての宝塚歌劇OG版シカゴへの参加ですが、ニューヨーク公演を知ったときのお気持ちはいかがでしたでしょうか。

前回は残念ながら他の仕事をしていて。今回はスケジュールもバッチリ、そしておまけにというか、すごいことにニューヨークで本場で公演ができる。海外公演は望んでもなかなかできないことですから、夢のようだと思いました。ましてミュージカルの本場で! 一生の思い出、宝物です。

終演後、「久しぶりに杜さんの男役姿が見られて幸せだった」とおっしゃる日本からのファンの方々にお会いしました。男役の感覚というのはすぐに戻ったのでしょうか。

なぜか分かりませんが、いつもすぐに戻れます。私の役者としての土台ですからネ(笑)。男も女も演じることができて、2倍楽しい人生です。

慌ただしい滞在かと思いますが、ブロードウェイでミュージカルなど見る予定はありますでしょうか。このような機会が、またあった時には参加したいと思いますか。

もちろん体力の続く限り参加したいです! シカゴをはじめ、数本見て帰ります!(『巴里のアメリカ人(An American in Paris)』、『マチルダ(Matilda The Musical)』、『スリープ・ノー・モア(Sleep No More)』など)

 

レビュー・ショー「タカラヅカ・アンコール(Takarazuka Encore)」のフィナーレで挨拶をする杜さん(左)と麻路さきさん=20日(Photo by NY Biz/吉田)

レビュー・ショー「タカラヅカ・アンコール(Takarazuka Encore)」のフィナーレで挨拶をする杜さん(左)と麻路さきさん=7月20日(Photo by NY Biz/吉田)

宝塚OGによる「シカゴ」は、宝塚歌劇100周年を祝して2014年に制作され、日本で7万人を動員した、世界初女性キャストのみの「シカゴ」。出演は、宝塚歌劇団を卒業した歴代のトップスターら。毎年7月にニューヨークで開催される芸術祭「リンカーンセンター・フェスティバル」に招待された。ニューヨーク公演のためだけに構成されたレビュー・ショー「タカラヅカ・アンコール(Takarazuka Encore)」が「シカゴ」終演後に披露された。今後、東京(8月10日〜21日)と大阪(8月25日〜31日)での公演を控えている。

〈プロフィル〉
杜けあき(もり・けあき) 1979年、65期生として宝塚歌劇団に入団。花組公演『花影記/紅はこべ』で初舞台を踏む。入団時の成績は45人中7位。88年に雪組トップスターに就任。92年、宝塚大劇場改築に伴う旧大劇場最後の公演、『忠臣蔵〜花に散り雪に散り〜』が退団公演となり、旧大劇場時代の最後のトップスターとなった。翌93年に宝塚歌劇団を退団。92年度菊田一夫演劇賞の演劇賞を受賞。退団後は、舞台・テレビで女優として活躍をつづけている。

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