〈コラム〉夜遅くの食事と体 脂肪の蓄積、避ける工夫を

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日本クリニック「医療の時間」第10診

食事後にすぐ寝るのは体に良くないと言われるのはなぜでしょうか。脂肪の蓄積(体重増加)だけではなく、消化不良、胃食道逆流症の原因になります。しかし多くの人が気にするのは、脂肪の蓄積ではありませんか? 食欲、空腹感や満足感のバランスの維持は脳、体内ホルモン、化学物質の相互作用によって行われ、体温、エネルギーレベル、睡眠、食べ物の代謝と貯蓄に深く関与しています。昼食を12時や1時ごろに食べてから10時間以上何も食べないと血糖値が下がります。そうすると、エネルギー消費も下がるため、食べた物が脂肪になりやすいのです。また、寝ている間やリラックスしているときは副交感神経が高まり、体に入ってきた栄養素を体内に貯蔵しようとします。そのため、夜遅くの食事は体脂肪が蓄えられやすくなります。
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しかし、夜遅くに食べるものはすべて脂肪になると考えると、ストレスになってしまうので、以下のような工夫をしてみるとよいでしょう。
●仕事の関係で毎晩遅くに食事を取られる方も多いと思います。そういう方はお休みの日は早めに夕食を取る、食後1時間(理想は少なくとも2時間)は寝ないようにする。
●朝食は少なくてもいいので食べる。
●昼食から夕食までの間に100〜150カロリー程度の間食をする。夜食べるのが10時以降で、昼を12時ごろに食べる人は夕食までに2回(3時と6〜7時ごろ)間食をする。さまざまな研究から、4時間以上空けずに間食をした人は太りにくいという結果が出ています。(*スナックは満足感を与えてくれるヨーグルトやナッツなどのタンパク質を含む食品を選びましょう)
●夕食は油っこいものを避け、穀物類と脂肪分の少ないタンパク質と野菜の組み合わせ、スープ類がお勧めです。
●よくかむこと。早く食べて寝ないと、と焦ると逆効果。消化不良を起こします。
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1〜2回スナックを摂ると、夕食をどか食いせずに済むはずなのですが、夕食の量が前と変わらないのであれば、一日の基準摂取量を越えてしまいます。スナックを摂った時と摂らない時の夕食の量と体重変動を比べてみるといいと思います。自分に合った食事方法を見つけて、食生活を楽しんでください。 (次回は2月26日号掲載)
DrMiyashita

〈今回の執筆者〉宮下麻子先生/Asako Miyashita, MS, RD
日本クリニック/15W 44th St. 10FL. NY,NY 10036
米国登録栄養士。コロンビア大学教育大学院で栄養教育学修士課程卒業。日本ではマクロビオティック料理学校のリマクッキングスクール師範科を修了。米国栄養士協会会員。専門は体重マネジメント、予防栄養学、スポーツ栄養学、摂食障害など。

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