〈コラム〉ビザ最新情報

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H―1Bビザ枠の残数

2011年1月14日現在のH―1Bビザ枠の残数は、学士号および修士号以上対象を合わせて4000件となっています。申請受け付けはまもなく締め切られるでしょう。次回11年10月1日より就労開始となるH―1Bビザ申請の受け付けは4月1日から始まります。

PERM申請審査状況

米国労働省は、PERM申請(雇用に基づく永住権申請の第1ステップ)の審査状況について更新しました。11年1月3日付けの情報によると、10年12月に申請があり、監査の入っていない件を審査中です。また、08年12月に申請があり、監査の入った件および08年5月に再審査依頼があった件も審査中です。

H―1Bビザと 第三者の下での就労

これまで米国移民局はH―1Bビザ申請に対し、雇用主と従業員の関係、従業員の管理や第三者の就労先での「就労資格」を証明する追加書類の提出を厳しく要請してきました。
追加書類の提出依頼は、主に雇用主でなく取引先で就労するH―1Bビザ申請が対象です。移民局は誰が給与を支払うか、誰が従業員を実際に管理し業務を監督するか、また誰が従業員の直属の上司となるか、といった情報を重視します。基本的にH―1Bビザのスポンサーは、H―1Bビザ従業員とその業務を管理しなければなりません。そうでない限り、スポンサーの資格はありません。
H―1BビザのスポンサーがITコンサルタント企業でよくある短期間の雇用契約者である場合、同様の問題が発生しています。IT業界の従業員の多くは数カ月のプロジェクトに携わり、その後H―1Bビザのスポンサーが彼らを次のプロジェクトに就業させるまで数カ月間無職の状態(待機中)が発生します。移民局は、従業員は待機中も法定最低賃金を受給する必要があると定めています。受給が無い場合、従業員はビザの資格を失うことになります。またこれにより、雇用主はH―1Bビザの規制を順守していないとみなされます。移民局は雇用主が十分な書類の提出ができない場合、第三者の下で就労する従業員には3年より短期間のH―1Bビザしか認めない場合もあるとしています。3年間のH―1Bビザを得るために以下をご参考下さい。
①労働状況申請(LCA)にH―1Bビザスポンサーの住所と第三者の就労先に加え、数カ所の就労先を記載して下さい。
②第三者の就労先でのH―1Bビザ従業員の「就労資格」を証明する書類として、プロジェクトが3年間のうち、少なくとも1年以上の期間を要する旨の取引先からの陳述書を提出して下さい。
③取引先の陳述書には、就労先でのH―1Bビザ従業員の業務内容、プロジェクトの期間、管理者の氏名と電話番号を明確にしてください。これはH―1Bビザ申請者がビザスポンサーの従業員であり、スポンサーが申請者に対して絶対的な「管理する権限」を持つことを証明することが目的です。
④「就労資格」を証明するために、雇用主と中間業者を含めた取引先との契約書、業務内容、仕事の発注書を提出して下さい。
⑤「雇用主と従業員の関係」や従業員の業務を「管理する権限」を証明するために、雇用主と従業員間の契約書、従業員の手引きも提出して下さい。提出書類には給与、福利厚生、給与の支払い方法、業務査定、プロジェクトの調査方法、直属の上司、雇用と解雇の権限、等の内容を記載して下さい。
(弁護士:リチャード A. ニューマン)
(次回は2月26日号掲載)
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過去の一覧
(「WEEKLY Biz」2011年1月29日号掲載)

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