SOHO 最高売買物件は27Mドル
コーコラングループのＮＹ公認不動産エージェント小林利花です。今月から、不動産の観点からニューヨークのエリアを紹介します。
今週は「ソーホー（ＳＯＨＯ）」を紹介します。
★歴史
南北をCanal StとHouston St、東西をLafayette StとWest Broadwayに囲まれ、〝South of Houston〟（ハウストンの南）の略からＳＯＨＯと呼ばれています。
17世紀にオランダ領として初めて歴史に登場します。18世紀にプランテーション農園が建てられ、19世紀に入ると富裕層が住みはじめ、劇場、カジノ、店が建ち並ぶ、現在の五番街のような地域に。その後、工場がひしめく商業地域へと変貌するも荒廃化。1960年代には、アーティストが移り住み、アバンギャルドなアートの町に。開発とともに、おしゃれなブティックやレストランが建ち並ぶ地区となりました。
★不動産市場
ソーホーの住宅といえば、キャストアイアン建築（鋳鉄建築）のロフト。自然光が差し込む大きな窓、高い天井が特徴で、アーティストがソーホーの住宅に魅かれたのもうなずけます。現存するキャストアイアン建築の数は世界最多で、歴史保護地域にも指定されています。
50万ドル以下ではコープ（不動産でなく株券を所有）の小さいStudio、１M（100万）ドル以下でコンド（不動産＋土地の一部を所有）のStudioやコープの１Bedroom、また1.5Mドルでコンド１Bedroomや贅沢設備の新築コンドStudioが出ています。（注１）
昨年の最安賃貸物件は1598ドル、最も高い賃貸物件は３万9000ドル。また、最安売買物件は30万ドル、最も高い売買物件は27Mドルでした。（注２）
新築物件は、West Broadwayに建つガラス張り高級コンド。各階にアパート一軒という広々設計で、6.7Mで市場に出ています。
◇ ◇ ◇
次回はグラマシーパークを紹介します。
（「WEEKLY Biz」2014年２月22日号掲載）
〈profile〉こばやし りか 元ミスインターナショナル日本代表。通訳、大学講師を経て不動産業に。コロンビア大学院卒。趣味はガーデニング、ヨガ。グリニッジビレッジ在住。夫とともに東日本大震災のチャリティーマラソンを主催。現在、ペットアダプションセンターでボランティア活動中。
【Ｅメール】rika.kobayashi@corcoran.com
