急な帰国が決まった場合の学校選び

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高校編入は厳しいが、必ず編入先は見つかる!

「在米親子にアドバイス」日米の教育事情
米日教育交流協議会(UJEEC)・代表 丹羽筆人

 

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1月に入ってから急な帰国が決まり、進学先や帰国時期について相談を受けることがあります。日本の学齢が義務教育期間の場合は、住民登録をすれば地元の公立小学校・中学校に編入ができるので大きな問題はありません。ただし、中学3年生や高校生の場合は、高校への入学や編入学のことを考えねばなりません。

まず、中学3年生は、高校の入学試験の受験が必要です。入試のピーク期は2月なので帰国時期が3月に入ってしまうと定員の少ない2次募集しか受験できなくなってしまいます。また、現地校の9年生修了が入学資格という高校もあり、9年生未修了者は日本の中学校を卒業せねばなりません。したがって、速やかに帰国し、日本の中学校に編入することが望ましいでしょう。

中学3年生は、中高一貫校に編入学する方法もあります。ただし、受け入れは多くはありませんし、編入試験に高校の履修内容も含まれる学校もあり、ハードルは高いです。

高校生は、高校の編入試験の受験が必要です。ただし、編入学は定員に空きがある場合のみ行われるので、行きたい高校の受け入れがないこともあります。編入時期は4月、9月、1月など特定月のみという高校もあります。1月に帰国しても編入試験は終了していて4月まで編入できないこともあります。また、現地校の9年生を修了していないと高校1年生に、10年生を修了していないと高校2年生に、11年生を修了していないと3年生に編入できない高校もあります。つまり、4月編入の場合、現地校の学年次第では学年を落とさねばならない高校があるということです。また、高校3年生に編入できる高校はごく少数です。

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このように編入学は厳しいですが、随時受け入れを行う学校もありますし、急な帰国ということで特例が認められることもあります。編入学を希望する学校を多めに選定し、各校に電話やE-mailで問い合わせをして、編入学の有無や条件、試験の内容などを確認すれば、編入学先が見つかるはずです。

(写真提供:名古屋国際中学校・高等学校)

 

丹羽筆人【執筆者】にわ・ふでひと 河合塾在職後に渡米し、北米の補習校・学習塾講師を歴任。現在は、「米日教育交流協議会(UJEEC)」の代表として、「サマー・キャンプ in ぎふ」の企画・運営、河合塾海外帰国生コース、名古屋国際中学校・高等学校、名古屋商科大学の北米担当などを務める。他にデトロイト補習授業校講師(教務主任兼進路指導担当)
◆米日教育交流協議会(UJEEC
Phone:1-248-346-3818
Website:www.ujeec.org

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