コーリン・ジャパニーズトレーディング代表取締役社長NPO法人 GOHAN Society会長 川野作織(19)

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ポテンシャルは絶体絶命にならないと絶対に引き出せない

日本育英会からは月に3000円ももらえていたので、父母会費も修学旅行の積立金も月謝も全部それでまかなっていました。父母会費が200円、学校の月謝が550円で、修学旅行の積立金も何百円かあって。それ以外に犬の散歩をしながら、瓶を拾って、それを空き瓶回収に渡したり、毎週日曜日の朝、近所の5人の方に家庭教師をして教えて。お花のお稽古に通うための月300円の月謝とお花代も自分で出して、親に負担を掛けないようにしていました。

大人になってニューヨークに来た後に、「あの時(母から急に「親が面倒を見るのは中学まで。高校の学費は出さない」と言われた時)は焦ったわ」という話を母にすると、「作織ちゃんにはそのくらい言えばちょうどいいかなと思った」と言われてしまいました。考えてみると、弟は付属高校に行ってそのまま私立へ行っていたのです。あれ?と思ってはいましたが、「そのくらい言えばちょうど良いかな」が理由だったとは。弟には同じことを言ったら危ないから言わないけれど、「作織ちゃんは絶対嫌だって言って頑張ると思ったから」とのこと。見抜かれていたわけです。

このことは、すごく良かったと今でも思うんですよね。自分の持っているポテンシャルは絶体絶命にならないと絶対に引き出せないものですから。いい環境があれば、それは絶対にそのまま行っちゃう。何が何でも、絶対に頑張らないと大変なことになる!っていうのが人生に時々あるのは、良いことだ思います。

KORINを始めてからも、そういうことはたくさんありました。ある時、打つ手がなくなって、本当にもうどうしたらよいか分からなくて途方にくれて、娘をベビーカーに乗せて押しながら、チャイナタウンを歩いていた時に、安い陶器のお皿が目に入って、そこから新しいビジネスを思いついたり。どうしたらよいか分からなくて必死になっている時はずっとずっとそのことを考えているので、何かをきっかけにして、アイデアが爆発して結果うまくいくことにつながった、という経験がたくさんあります。

(次回は11月9日号掲載)

kawano

かわの・さおり 1982年に和包丁や食器などのキッチンウエアを取り扱う光琳を設立。2006年米国レストラン関連業界に貢献することを目的に五絆(ゴハン)財団を設立。07年3月国連でNation To Nation NetworkのLeadership Awardを受賞。米国に住む日本人を代表する事業家として活躍の場を広げている。

●コラムまとめ●


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