妊婦が感染している場合は胎児に影響する可能性も

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出生前診断35
~日本ではあまり知られていないサイトメガウイルス(1)~

「米国最先端臨床現場から」海外治療コンサルティングリポート 第70回

前回=8月4日号掲載=まで出生前診断について34回にわたって説明してきました。出生前診断で、正確である診断は絨毛(じゅうもう)検査と羊水検査ですが、羊水検査についての説明のなか、当検査が実施される理由の六つの項目の一つにサイトメガウイルスの感染が疑われる場合、と記しました。母親がサイトメガウイルスの感染者である場合、赤ちゃんの健康に影響が生じる可能性があるためです。

日本人でも半数以上の成人の方がキャリアであるにもかかわらず、日本ではあまり語られないこのサイトメガロウイルスについて、説明したいと思います。

日本では一般的には検査しないようですが、弊社の日本人のクライアントの方に当検査を依頼すると、大半の方がキャリアであるという結果が戻ってきています。サイトメガロウイルスとは、珍しくないウイルスで全ての年代の人間に感染します。40歳以上の成人の半数以上が感染しているといわれています。

サイトメガロウイルスに一旦感染すると、一生涯ウイルスは体内に留まります。このウイルスは健康な人にはあまりいたずらをせず症状も現れないため、多くの人は感染していることに気づかないケースがほとんどであることから多く語られない傾向にあるのかもしれません。しかし、免疫力が弱い人の場合、重症な問題が生じる可能性があります。特に、臓器移植後、免疫が落ちている患者にとってサイトメガロウイルス感染は致命的と言われています。そして、妊婦がサイトメガロウイルスに感染している場合は、赤ちゃんに影響する可能性があります。赤ちゃんには、母親が妊娠中、つまり、生まれる前に感染する場合があることが分かっています。

サイトメガロウイルスは人から人へ、体液、例えば血液、唾液、尿、精液、母乳を介し感染します。このウイルスを体から消滅させる治療はありませんが薬投与によって感染した乳児を治療することは可能です。

赤ちゃんにどのような影響があるかなど、さらに詳しい説明を次回も継続していきます。

(さくらライフセイブアソシエイツ代表・清水直子)

さくらライフセイブアソシエイツ代表・清水直子【執筆者】清水直子しみず なおこ) 学習院大学法学部卒業、コロンビア大学で数学を学び、ニューヨーク大学スターンスクールオブビジネスでMBAを取得。マウントサイナイ医科大学短期医学スクール修了。メリルリンチの株式部で活躍し、2003年さくらライフセイブ・アソシエイツを設立。

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