〈コラム〉導院整体センター、鈴木規正「心身整体道場」第11回

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関節炎!それでどうしたの?

我々が最も理解できないのが自分自身だけに、自然に逆らい頑迷に暮らしてしまう人が多い。身体が痛む、不定愁訴がある、体調が悪い、膝がガクガクする。「なぜか?」―自分では分からない。そこで病院を回り、検査・手術・薬をもらうが良くならない。多くの人が病院で症状「xyz…」と命名されると有難く薬を飲み、治ったように錯覚します。特に近年流行の症状が「関節炎(Arthritis)」で、「他院で言われた」と声高に説明する人もいます。「では何が原因ですか」と聞くと本人も分からないし、検査した医師自身も分かりません。誰もが分からないが故に、「関節炎」と命名すれば一応は面目が保てる訳です。何のことはない。当院で診ると「骨盤転位が原因のたんなる関節転位」で、ズレを治せば一度の施術で痛みが消失することが多いのです。
例えば、慢性頭痛の人が病院で首の関節炎と診断され、アスピリンをもらい飲む。その時は良いが翌日また頭痛が戻ってしまいます。私が診ると慢性頭痛や偏頭痛の原因は、骨盤がずれて脊椎が湾曲し、ずれた肩の上に乗った首(頚椎)周辺筋肉群が硬直して血管を圧迫しているからです。従って、身体の骨格を元に戻せば頭痛は無くなる。事実、多くの患者が良くなっています。
数年も各院に通院して「首肩の慢性痛」で悩んでいた人が来院。治療の途中で、病院で精密検査をするのでということで通院を2回で止めました。理由は、前回の診察中に私から「腎臓が膨らんでいる」と言われたからとのこと。この人の考えはまったくピントが外れており困りました。当院の施術目的は、患者の自己治癒力を高める手助けをして、本人の体質を変えることにより「自分の身体は自分で治す」ことです。検査で悪いところを見つけて薬を飲み、それで誤魔化そうという短絡的なことではありません。最大の問題は、自分で治そうという努力と犠牲を遠ざけて、楽な「薬剤」に頼ろうとしていることです。
【実際の事例】
Yさん(日本人女性、40代、ITエンジニア):慢性の頭痛持ちで過去2年多くの病院、治療所を回ったが治らない。医院に行くと必ず関節炎と言われ、痛み止めを飲んで誤摩化し続けた。当院で診ると、首肩の周辺筋肉群の硬直があり、血行を妨げている。おまけに身体が骨盤を中心にして「く」の字に湾曲していて、肩の位置を大幅に転位させていた。これでは「気・血・水」が低下して身体が硬直し、重症の肩こり・頭痛になるのは当然。骨盤を中心に身体を自然な状態に戻すのに数回の施術が必要であったが、身体が柔軟になり骨格が戻るにつれ、慢性の頭痛は消失。毎日が爽快で「朝起きるのが楽しみ」と喜んでくれました。
J氏(米国人、42歳、証券ブローカー):よく膝が痛くなり、カイロやフィジカルセラピーに通院。医院で関節炎と言われ続けてきた。毎日痛み止めを飲んでいたが、強い薬で最近は胃の調子も悪化。以前、本人はしごく健康で毎週ジムに行き、筋トレに励んでいた。当院で診ると、よくあるケースで、骨盤の捻転が大きく大腿骨を押し出しており、それが原因で膝関節がずれて痛みが生じていた。単なる膝関節のズレで、原因である骨盤の捻転を戻せば、1〜2度の施術で痛みはただちに消失。以降、本人は3カ月ごとに骨格の調整に来てくれています。
(次回は2月2日号掲載)

Nori at NYGoCenter.〈プロフィル〉鈴木規正(すずき のりまさ) 指圧・整体師。「導院整体センター」院長。日本指圧医会/桜医会会員。米国で17年以上にわたって整体指圧を行い、慢性痛(腰痛、肩凝り、膝足痛)などの治療にあたり、また整体治療を通して心身の健康回復をサポートする。自身が開講する指圧教室では450人以上の生徒を育成。

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