〈コラム〉ブランディング 価格競争に強く、市場では高い利益生む

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「永野・森田公認会計士事務所 日下武」ビジネスのツボ 第44回

モールに行くといろいろなブランドが目に入ります。私からするとエルメスやルイ・ヴィトンなど高級なものは、一つのバックでも値札を見ると冷や汗がでるほどのゼロの数がついています。それでも店内はいっぱいの人で、バッグの種類によっては1年待ちというものもあるようです。

大抵の高級ファッションブランドは、アウトレットモールに行くとありますが、ブランドによってはあまり見ることができないものもあります。それもあり、さらに高級というイメージがついています。このように消費者の潜在意識に良いイメージを蓄積していき、企業にとって有益な資産を形成することをブランディングといいます。ブランディングを構築できるといろいろな利点があります。まず、価格競争に強くなるということです。これは安い値段で売ることができるという意味ではなく、値引き競争についていかなくてもこちらの定めた値段で売ることができるようになるということです。例えば、ギフトのためにお菓子を買いに行ったとします。GODIVAのチョコレートが50ドルで売られていました。その隣に見たことのないブランドのチョコレートが同じような箱の大きさ、デザインで45ドルで売られていました。ベルギー産と書いてあり、質も良さそうです。でも、私だったら5ドルの差ならば名前の知られているGODIVAのチョコレートを購入するでしょう。なぜならば、GODIVAのブランドイメージが高級であるし、品質の信頼もあり、更に貰うほうの立場からしても認知度が高いと思うからです。このように、ブランドイメージを作ると多少の値段差では揺るがない価値を生むことができます。

さらにもっと高い認知度を得てしまえば、市場を寡占するまでになるケースもあります。身近な例としてパソコン用のオペレーティングシステムでいうとマイクロソフト社、アップル社以外のものは、ほとんどみられません。他の企業は入る余地もない状況になっています。

企業がブランド力をつけると人材獲得も有利になります。企業イメージが良いと優秀な人材も集まりやすく、働いている従業員にとってもプライドに繋がり、離職率も下がります。

ブランディングに力を入れるといっても、短期的には効果を見ることは難しく、時間もお金もかかりますので、投資するにはかなりの意志決定がいるかもしれません。ただ、ブランドを作り出せるとその市場では高い利益を生むことも確かです。皆さんもこのブランディングについて、一度、考えてみてはいかがでしょうか。
(次回は10月第2週号掲載)

takeshi%20001[1]〈プロフィル〉 日下 武(くさか たけし) 永野・森田公認会計士事務所NJ拠点マネージャー。大手日系食品商社での営業経験を活かし、顧客の立場になって、全体的なビジネス、会計、税務相談を受けている。メーカーからレストラン、リテーラーまで、幅広く顧客を持つ。

ウェブ】www.nagano-morita.com/ Tel:201-363-0050 E-mail:tkusaka@nagano-morita.com 2125 Center Ave., Suite 104, Fort Lee NJ
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