出生前診断である羊水検査(2)

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出生前診断32
~妊娠第2期:セカンド・トリメスターの出生前検査(5)~

「米国最先端臨床現場から」海外治療コンサルティングリポート 第67回

前回=5月5日号掲載=から、妊娠第2期のスクリーニング検査で、染色体異常の可能性があり得る、と出た場合に、正確に診断したい妊婦に行われる出生前診断である羊水検査について説明を開始しています。

前回、羊水検査が実施される理由のリストを4項目までお伝えしていますが、継続いたします。

⒌ 両親ともにテイ・サックス病(ユダヤ人に多くみられる遺伝病でヘキソサミニダーゼA欠乏からくる)などの常染色体劣性遺伝のキャリアである場合。

⒍ トキソプラズマ症(原虫性寄生虫による疾患)、第五病、サイトメガロウイルス感染症、もしくは他の感染症が疑われる場合。サイトメガロウイルス感染症は、日本人でも半数以上の成人の方がキャリアです。多くの日本人が感染しているにもかかわらず、日本ではあまり語られないこのサイトメガロウイルスについては羊水検査について説明を終えた後、詳しく紙面を割いて説明したいと思います。

2回にわたって紹介した6項目に該当した場合は、さらに羊水検査を行うことを鑑みることも選択肢としてあります。羊水検査を行わなければならないのではなく、母親である妊婦個人の選択肢であることは前回にも書いた通りです。

羊水検査は、診察台に仰向けに横たわり超音波を通して胎盤の場所を確認することから始まります。状況によっては、局部麻酔を対腹部に行う場合もあります。しかし、この麻酔注射自体が痛みを伴い、羊水検査自体の痛みと変わらないため、当局部麻酔をしないことが多いようです。長細い針を腹部に刺し、子宮まで注入し、赤ちゃんを囲んでいる嚢から少量の羊水を採取します。ここでリスクとしては、この針が赤ちゃんを刺してしまうことが挙げられます。この事故の可能性を下げるために、必ず超音波による誘導が必要です。所要時間は準備から施術まで含め30分ほどです。実質的に羊水を採るのは1~2分以下です。もし、妊婦の血液型がRHマイナスである場合は、羊水検査後、特別な処置が必要であることを心に留めておく必要があります。

(さくらライフセイブアソシエイツ代表・清水直子)

さくらライフセイブアソシエイツ代表・清水直子【執筆者】清水直子しみず なおこ) 学習院大学法学部卒業、コロンビア大学で数学を学び、ニューヨーク大学スターンスクールオブビジネスでMBAを取得。マウントサイナイ医科大学短期医学スクール修了。メリルリンチの株式部で活躍し、2003年さくらライフセイブ・アソシエイツを設立。

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