〈コラム〉集夢計画54「言うは易く行うは難し」

0

アーティスト・林世宝「チリも積もれば芸術に」第59回

国会議事堂近くにある橋本聖子参議院議員(中央)のオフィスを訪ねて「希望」を伝え、ボールにサインをもらいました

国会議事堂近くにある橋本聖子参議院議員(中央)のオフィスを訪ねて「希望」を伝え、ボールにサインをもらいました

1月下旬、日本と台湾の野球、五輪関係者を訪問しました。今回も私の背を押してくれたのは、Crystal Window & Door社長の陳秋貴氏。プロジェクトの現状と課題を把握すると、二人分のアジア行き航空券を手配してくれました。野球界に詳しいジョージは、最大限の時間を使って関係者を回るスケジュールを作成。到着予定の23日は大寒波で日本は大雪。飛行機のキャンセルやら、新幹線の遅れやら、ハプニング続きながらも予定の大半をこなすことができました。

京セラドーム大阪(旧・大阪ドーム)、東京ドーム、横浜スタジアムを訪ね、日本野球連盟代表者と面会し、名古屋ではボール集めの現場訪問。ボランティアの手で汚れを取り積み上げられた1万個以上のボールは圧巻の光景。「スポーツする子供たちにとってオリンピックは大きな夢。野球復活に大喜びの少年たちの夢と希望を会場まで運んであげて」。私よりずっと頑張っているボランティアの声を聞き、プロジェクト実現の決意を新たにしました。

その後、日本全国にボール提供を広めてくれた春日井ボーイズの監督、愛知工業大学名電高校の監督にお礼を伝え、最終日には、台北駐日経済文化代表処の駐日台湾大使(台湾領事館の総領事)と日本オリンピック委員会副会長の橋本聖子参議院議員を訪ね、「みんなの夢とパワーを集めています。力を貸してください」とお願いしました。

台湾に移動した翌日、24カ国が加盟するアジア野球連盟の総会に飛び入り参加でプレゼンし、台湾オリンピック委員会の委員長にも協力を要請しました。

10余日の旅を終え、ジョージはニューヨークへ戻り、私はツリーの土台制作のため台湾に残っています。8月にボールと土台をニューヨークに輸送し、今年中の「希望のツリー」完成を目指します。今回の旅で得た多くの激励を心の糧に実行あるのみ。今日も頑張ります。

(次回は5月第2週号掲載)

〈プロフィル〉リン・セイホウ 1962年台湾生まれ。日本に留学中に日展、日仏現代美術展に出展し数々の賞を受賞。その後、渡米し、96年NY大学大学院修士課程を修了。NY現代美術展メディア賞、アジア傑出アーティスト賞などを受賞。世界中から素材を集める、ハート集結シリーズの代表作には「智恵の門(愛知万博)」、「ラブツリー(20万のおしゃぶり)」がある。NY在住。【フェイスブック

過去の一覧

Share.