集夢計画83「歓喜福兎迎新春、祝大家萬事如意」

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アーティスト・林世宝「チリも積もれば芸術に」第88回

「メトロカードの十二支」。一番大きな「牛王(中央)」は高さ2.3メートル。今年の干支「幸せのうさぎ」はこちらの写真をご覧ください

「メトロカードの十二支」。一番大きな「牛王(中央)」は高さ2.3メートル。今年の干支「幸せのうさぎ」はこちらの写真をご覧ください

新春に幸福のうさぎを迎え、皆様万事うまくいきますように。

メトロカードの十二支は、愛、平和、勇気、希望、幸福を運ぶスーパーヒーロー。ここにヒーローがそろいまして、新年のごあいさつと、個展「ゴールデンエイジ」が無事に閉幕しましたことお礼申し上げます。(会場の様子を掲載していただきました。こちらからご覧になれます)

5年かけて作った作品について、「どうしてアート一筋で頑張れるの? どんな気持ちで作っているの?」と何度も聞かれました。「アートが好きでこれが私の仕事というのが前半の気持ち。後半には、コロナ禍でアジアンヘイトの暴力が多数発生。作品の素材である小さいメトロカードは、人種、国境、宗教に関係なく、ニューヨークで夢を追う人を希望の場所に運んでくれるもの。労働者の味方であり無差別の象徴。愛と平和をテーマとするアーティストとして、ニューヨークが団結してほしいと思いました」

続けられるのは、半分は自分の頑張り、半分は周りからの激励。正しいと信じてやっていると、周りの人が理解して応援してくれるようになる。苦しい時、楽しい時、いろいろあった5年間、大事なのはサポーター、空間を提供してくれた人たち、メトロカードを一緒に集めてくれた人たち。愛情、友情、それらすべての感情が3万枚のカードに入っています。

アジア共通の古い文化である十二支の動物たちが、色鮮やかな現代ジャケットを着ている姿にも意味があります。移民が華やかで見栄えの良いジャケットを着るのは、人の何倍も何十倍も頑張り努力した証なのです。

「一年之計在於春、春若不耕秋無収穫(一年の計は春にあり、春に耕さなければ秋の収穫なし)」。今春の目標は、白いメトロカード不足で未完成の「羊」を仕上げること。残り30%に3000枚ほどのカードが必要です。秋の収穫に向けて私も頑張ります。皆さんも一緒に頑張りましょう!

(次回は3月18日号掲載)
林世宝

〈プロフィル〉リン・セイホウ 1962年台湾生まれ。日本に留学中に日展、日仏現代美術展に出展し数々の賞を受賞。その後、渡米し、96年NY大学大学院修士課程を修了。NY現代美術展メディア賞、アジア傑出アーティスト賞などを受賞。世界中から素材を集める、ハート集結シリーズの代表作には「智恵の門(愛知万博)」、「ラブツリー(20万のおしゃぶり)」がある。NY在住。【フェイスブック

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