海外の自宅で受験できるオンライン入試

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新型コロナウイルス感染症の感染拡大への対応で受験機会が広がる

「在米親子にアドバイス」日米の教育事情
米日教育交流協議会(UJEEC)・代表 丹羽筆人

帰国生入試実施中学校・高等学校の中には、一時帰国することなく、海外にいながら受験できるように海外入試会場を設けて、海外入試(海外選抜)を実施する学校もあります。しかし、2020年は新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響で、学校関係者の海外への移動が制限され、実施を見送る学校もありました。一方で、急遽、Web会議システムなどを利用したオンラインで入試を実施する学校もありました。オンラインによる実施により、従来の海外入試では居住される国や地域に受験会場のなかった方にも受験の機会が広がりました。今年から来年にかけて実施される2022年度入試では、海外入試会場を設けず、海外入試はオンラインで実施するという学校も目立っています。

2020年度入試まで海外の試験会場を設けて入試を行っていた中学校・高等学校(中高一貫校や中等教育学校を含む)の内26校について2022年度入試の募集要項を確認したところ、11校で海外の試験会場での入試を実施せずオンラインで入試を行うことが分かりました。また、4校は海外の試験会場での実施ができない場合はオンラインで入試を実施する予定と記載されていますので、オンラインで受験できる可能性があります。

2022年度の海外入試をオンラインで受験できる主な中学校・高等学校は以下の通りです。
・茗渓学園中学校・高等学校(茨城県つくば市)
・土浦日本大学高等学校(茨城県土浦市)
・青稜中学校・高等学校(東京都品川区)
・富士見丘中学校・高等学校(東京都渋谷区)
・佼成学園中学校・高等学校(東京都杉並区)
・文化学園大学杉並中学校・高等学校(東京都杉並区)
・工学院大学附属中学校・高等学校(東京都八王子市)
・名古屋国際中学校・高等学校(愛知県名古屋市)
・関西学院大学千里国際中等部・高等学校(大阪府箕面市)
・親和中学校・高等学校(兵庫県神戸市)
・育英西高等学校(奈良県奈良市)

2022年度の海外入試を新型コロナウイルス感染症の感染拡大の状況次第でオンラインで実施する主な中学校・高等学校は、以下の通り。
・立命館慶祥高等学校(北海道江別市)
・札幌日本大学高等学校(北海道北広島市)
・立命館宇治中学校・高等学校(京都府宇治市)
・明徳義塾中学校・高等学校(高知県須崎市)

上記の中学校・高等学校の海外入試の出願期間や試験日、選考方法などの詳細は各校のウェブサイトにてご確認ください。

また、このほかにも、国際基督教大学高等学校(東京都小金井市)の帰国生推薦入試・書類選考入試は書類審査と面接のみで行われ、面接はオンラインで実施されますので、一時帰国の必要がありません。また、桐蔭学園高等学校(横浜市青葉区)の書類選考入試、名古屋国際中学校・高等学校(愛知県名古屋市)の北米学校長推薦入試は、書類選考のみの入試です。ただし、これらの入試では学校の指定する出願資格をクリアしていないと受験できません。詳細は各校のウェブサイトにてご確認ください。

(写真提供:名古屋国際中学校・高等学校)

 

丹羽筆人【執筆者】にわ・ふでひと 河合塾在職後に渡米し、北米の補習校教員・学習塾講師を歴任。「米日教育交流協議会(UJEEC)」を設立し、「サマー・キャンプ in ぎふ」の企画・運営、河合塾海外帰国生コース北米事務所、名古屋国際中学校・高等学校、国際高等学校、名古屋商科大学北米担当、サンディエゴ補習授業校指導教諭を務める。
◆米日教育交流協議会(UJEEC)
Website:www.ujeec.org

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